相手キーパーが高く蹴ったボールをヘディング・・・
コーチは「頭で返せ!!」というけど・・・
脳震盪とか大丈夫???
●低学年のヘディングはキケン
結論、キケンだからやらない。でも。。。
低学年のヘディングを前提として考える。
僕も、ヘディングのトレーニングはやらなくてもいいと考える。
ただ、、、
●世界から見たヘディング
現在日本サッカー協会で「ヘディング」についての
ガイドラインは出ていない。
しかし、
他国のサッカー協会では、正式なガイドラインが発表されているみたい。
- スコットランド
12歳以下ヘディング禁止
ヘディングは認知症のリスクを高める可能性があると発表。
ボールの重さを500gに設定すると、
高速度時速128kmで頭に直撃。
頭蓋骨内で浮いている「脳」が揺れ、
後頭部の骨にぶつかり打撲するという分析もでている。
- イングランド
11歳以下のヘディング禁止
元イングランド代表ジェフ・アストル選手は、
慢性外傷性脳症で59歳で亡くなる。
検視官は、
「長年にわたりヘディングをしてきた繰り返したことにより
脳を損傷したと結論づけた。
元選手は一般人よりも認知症を患う可能性が3.5倍。
ということで、やっぱり世界でも
小学校年代のヘディングには、
ある程度の考えがあることがわかる。
やっぱり頭ってあぶないよね。。。
●しかし、ヘディングは大事なテクニック
サッカー経験者ならわかるとおり、
ヘディングって大事。
空中戦を制して、セカンドボールを拾うことができたら、
ボール保持率はあがるし、優位に立てる。
特にセンターバックの卵は、
ヘディングは必須テクニック。
センターバックがヘディングで跳ね返せないとまずいよね。
そもそも、
ヘディングが上達したのって、
中学生や高校生の時だ。
ある程度の筋量が発達する中学3年生~高校年代に、
ヘディングのテクニックを教え込まれた印象がある。
おそらく小学生からヘディングが強い子って少ないと思う。
ボールの落下点を読むのが上手な子はいても、
「強い」子はほとんどいないと思う。
そして、
低学年の試合でも、
ボールが浮くことはある、
例えば、相手ゴールキーパーがやたら蹴れる子がいる。
少し浮いたボールを下から蹴り上げる子がいる。
低学年でも、そういったシーンは必ずある。
だからといって、浮いたボールに対し、
「ヘディングはしなくていいよ!」のコーチングはおかしい。
「ヘディングしろ!」のコーチングもおかしい。
こどもの判断に任すのが一番良いかもしれない。
ヘディングを試みたならそれはそれで良い。
(めっちゃ上に上がったボールをヘディングは怖くてやらないだろうし)
足でコントロールを試みたならそれで良い。
ある程度グレーにしておいてあげるのも、手法だと思う。
●低学年のヘディングはここまで
結論が「ヘディングはキケンだからやらない」としたが。
ヘディングの入り口までは遊びの中で取り入れるべき。と伝えたい。
僕の中でここまで!というのがあるので紹介する。
●低学年のヘディング3つのステップ
①高く投げてもらって頭の上でキャッチ
②自分で投げてオデコに当てる
③やわらかいボールを投げてもらってヘディング
僕はこの3つだけが低学年でやるべきヘディングの導入とする。。
①高く投げてもらって頭の上でキャッチ
空間認識能力を養うため。
⇒物体の位置・形状・方向・大きさ・位置関係を素早く正確に認識する能力。
サッカーでいうと、
ボールが高く飛んで、
ボールがどのくらいのところに落ちてくるか
瞬時にポジションとるっとこと。
野球でいうと「フライ」をキャッチすると同じ。
これを遊びの中で、キャッチさせる。
しかもオデコの前で。
できるようになれば、
前後左右に投げてあげて、キャッチ。
②自分で投げてオデコにあてる
自分で上に投げ、オデコにあてる。
自分で投げるので、恐怖心はない。
目に一番近いオデコは、
足よりも一番正確な技術ともいわれている。(ホントだよ)
できるようになれば、上半身も使ってヘディング。
顎を引いて、手を前に出し、引く。
僕はテニスボールでやらせている。
③テニスボールを投げてもらってヘディング
やはり低学年、投げてもらったサッカーボールを、
ヘディングで返すには、頭へのダメージや恐怖心が強い。
なので、テニスボールにすることで払しょくでき、
負荷のかからない状態で、
フォームや当てる部位の確認ができる。
この3つが僕がやっている「ヘディングへの導入」。
大事なテクニックだけどリスクがある。
でもそれを「遊び」としてトレーニングすることで、
立派なヘディングのトレーニングになる。
●結論 すすんでトレーニングしないこと。
低学年のヘディングはリスクが大きすぎるから。
やらないこと。
昔は、コーチがボカーンと蹴ったボールをヘディングしろ!
っていう暗黒時代もあったけど。
怖がらないメンタルは鍛えられても、
技術は身につかない。
なので、あくまでも遊びの中にヘディングを取り入れ、
当てるポイント・上半身の使い方を、
マスターする。
ヘディングが上達するのはまだ先。
しかし、
正しいフォームで正しい当て方をわからない子は、
上達する時期に上達できないかもしれない。
●近い未来・・・
日本サッカー協会でも小学生における
ヘディングのガイドラインがでると思う。
世界的スクールの「クーバーコーチング」も、
10数年前から「ヘッドギアの着用」をスクール中に義務付けている。
小学生年代の大会は「全員ヘッドギア着用!」という未来は
近いかもしれない。
なかなかよさげな記事:「リフティングって回数じゃない」の話。(じゃあ?)